よくある地名の語源 「た」

だいしょうごんげんやま(大小権現山)【奥呉地△川ノ内△中土佐町/標高693.0m】

 

たかのすやま(鷹の巣山)【広瀬・飛地△四万十市/標高654.6m】

 

たきもと(滝本)【一斗俵地区内の集落】

 

  

たけのたに(竹の谷)【大正大奈路地区内の集落】

 

たけのぢ(竹ノ路)【下津井】

 

たけひらやま(竹平山)【下津井△梼原町/標高682.4m】

 

だば(駄場)【大井川地区の集落・組】

 

たきやま(滝山・瀧山・ダキ山)【神ノ西、折合、米奥、六反地、八千数、与津地、弘瀬、相去、江師、昭和、大井川、戸川】

  

たちめ(立目)【立目(若井)、立チ目(中神ノ川)、立目(大向)、立目新山(南川口)、立目(奈路)、立目口(大井川)、井ノ木立目(古城)、立目山(古城・地吉)、ホノギ・柳ノタチメ(作屋)】

 須崎・浦ノ内の「立目ポンカン」は有名である。各地に分布する地名であるのに、地名辞典にも説明のない不思議な地名が立目。

 若井・中神ノ川・大向・奈路・大井川など各地区にこの立目がある。立目より西を「立西地区(天ノ川など南川口を中心とした8行政区)」という基準となる地名でもあり、長宗我部地検帳にもタチメとあるように中世以前の古い地名でもある。

 弓道で弓を放つ回数を立目と呼ぶのは聞いたことがある。矢を引き、その目が先の目を射る、凛とした立身からイメージとして理解できるが、各地に弓道場があるとは思えない。

 綜合民俗語彙辞典のタツマの項に、「狩猟の撃ち手の配置をいう。熊の通路を見つけておいて出てくるのを狙撃する。「立待」の意から出た語ではないか。栃木県ではタツメ、伊豆半島ではタズマ」とある。立待がタチメに転訛し、狩猟を生業とするものにとって重要な場所であったからこそ地名として刻まれたもので、弓道の立目もそこからきたものと思われる。

 大井川の立目は、付近に「保登峠」「折付」など往来地名も多く、大井川から八木を経由して井﨑に向かう往還道でもある。獣の通路でもあり、狩猟の最適地であったことだろう。

 方向の「辰巳」地名も多いので、その転訛もありえるか。 

 

たての(立野)【無立野(東大奈路)】

  地名用語語源辞典では村落などの共有している山林原野とあり、群馬県の方言として草地として仕立てておく野の用例も紹介している。 

 

たにもと(谷本)【十川地区の集落】

 

たのの田野々)【旧大正町の役場所在地。各地に所在する地名】

  高知新聞連載の「土佐地名往来221号」で片岡雅文記者は「大正町史 資料編」を引用し「田野々村は、中央に丘陵(森駄場)を残し、旧河道跡に平地が開けた地形であり、地名の『たのの』は『たなの』がなまり変わった言葉で、段丘のある開き地に由来」と紹介するにとどめている。編集子は「田・野々」と考えたい。詳しくは→「田野々」

たんが(旦過・タングァ・タンクワヤシキ)【榊山のホノギ】

 服部英雄氏は『地名の歴史学p122』で旦過地名について詳しく述べている。旦過は仏語で「夕に来て翌朝行き過ぎる」意で修行僧が一夜宿泊すること。またその宿泊所。四国遍路の善根宿としての施設もあり四国各地にこの地名が刻まれているという。単なる宿泊所の意味から世俗の世界から遮断された不可侵の聖なる場所=アジール、聖と俗の境界域ととらえることもある。また氏は、旦過には共通性があり①港・渡し場など交通の要衝②著名な禅僧と結びつく③温泉・風呂に結びつく、と愛媛県のタンガ地名を例示して述べている。

 仁井田之郷地検帳の榊山村の段に「タンクワヤシキ」が見える。五社神領分とあることから「旦過宿」と考えてしまう。

 高知県内のタンガ地名と思われる字名に、丹波屋敷(東洋町河内)、タンゴウ(安田町別所)、タンバウチ(芸西村久重甲)、タンガン(香美市土佐山田町植)、丹官(タンガン/南国市甘枝)、タンバ(四万十市片魚・四万十市竹屋敷)、タンバナロ(宿毛市橋上町出井)、タンクワン(宿毛市小筑紫町田ノ浦)がある。服部氏の旦過地名の共通性により現地調査する必要がある。

たんばぎ(タンバ木)【大正】

 つづら川が四万十川に合流する右岸の山手が「タンバ木」という字名である。タンバは「東美濃では流材作業中の必要から、一時流木を集中させることをタンバといっている。タンマは遊戯中に一時休戦することをいう」と分類山村語彙で述べている。この葛籠川の奥山は御留山であり、現在でも市ノ又国有林野として有名である。この奥山からの流材をこの地で一時とめたことから名づけられたとすれば十分納得がいく。四国樹木名方言集には、タンバ木という方言名称はない。

 上山郷から中村一条領地にむかい杓子越えの起点となるところから、善根宿の「タンガ」も思い浮かべる。「タンガ」に「キ(処を意味する接尾語)」を加えたタンガキの転訛かもしれない。

 

(20170923現在)


ちめい

■語源


■四万十町の採取地


■四万十町外のサイノウの採取地