津賀

つが


20150630初

20170316胡

【沿革】 

 長宗我部地検帳には「土佐国幡多郡上山郷地検帳」の富山分とともに黒川村(里川)、平串村(浦越・茅吹手)、津賀村(津賀)、野野川村(野々川・昭和戸口)の記録がある。検地では、津賀村分として地高がまとめられている。

 それ以降の地誌である州郡志(1704-1711)南路志(1813)ともに「津賀村」とある。

 明治22年(1889)4月1日、明治の大合併により、幡多郡四手村、大井川村、野々川村、轟村、津賀村、茅吹手村、浦越村、黒川村、小野村、久保川村、大道村、細々村の上山郷下分12か村が合併し「西上山村」が発足し、津賀村は大字となった。

 昭和3年(1928)11月10日、幡多郡西上山村は改称し「昭和村」となった。

 昭和32年(1957)8月1日、幡多郡郡昭和村、十川村が合併し新設「十和村」となった。

 平成18年(2006)3月20日、高岡郡窪川町と幡多郡大正町・十和村が合併し新設「高岡郡四万十町」となる。

  

【地誌】

 旧十和村の東部。北から西は昭和、南は茅吹手に接し、東に国有林が広がる。北は宮の谷山・たちばな山、南はおとなせ山、東はツルイノ谷山に囲まれ、南から西の大字界を四万十川が蛇行して西に流れる。およそ農業地帯。国道381号が四万十川右岸を通る。北部山地から宮の谷川・ツガノカワ谷が南西流して四万十川に注ぐ。集落は南向きで、四万十川沿いに開けている。窪川へは車で40分、宇和島市へは1時間の地。地内には津賀発電所(出力1万7,000KW)・河内神社などがある。字ツルイノ谷口には、昔、武士を祀ったといわれるセンコウ藪があり、かつては線香の煙が絶えなかったという伝説の地である。

(写真は1975年11月撮影国土地理院の空中写真。写真左上部、西流する四万十川の右岸が津賀地区)

 

【地名の由来】

 


地内の字・ホノギ等の地名

【字】(あいうえお順)

 アノキ田、井ノ神、ウルシノ谷、エギサコ、エノキ田、大瀬、上ミヤシキ、北ノ川口、タチハナ谷、ツルイノ谷、仲屋敷、ハゴサコ、橋ケ谷、ハ子ツリ、ババケ谷、古家谷、宮ケ谷山、宮ノ谷、向屋敷、モリバタ、ヲトナセ【21】

 

【ホノギ】津賀村・津かの村

〇土佐国幡多郡上山郷地検帳(幡多郡上の1/検地:慶長2年2月26日?)

 ▼是ヨリ津賀村(p211~213)

 上キレ、西道ノ上

 

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【通称】

  

 

【山名】

重利山(標高640.3m)

吹の峰(標高700.2m)

 

【河川・渓流】

日村谷川(ゼンリン社) 

津賀の川(河川調書) 

ツルイ谷川(ゼンリン社)

 

瀬・渕】

 

 

【井堰】

 

  

【ため池】(四万十町ため池台帳)

 

 

【城址】

  

   

【屋号】

 

 

【神社】 詳しくは →地名データブック→高知県神社明細帳

河内神社/107かわうちじんじゃ/鎮座地:宮ノ谷

琴平神社/109ことひらじんじゃ/鎮座地:古家谷

 


現地踏査の記録


地名の疑問


出典・資史料

■長宗我部地検帳(1597慶長2年)

(幡多郡上の1p211/検地:慶長2年2月26日~?)

 慶長2年2月26日、平串村(現在の浦越)から検地を始め、カヤフクテ、藤上ノ村、家谷、轟村に続いて「是ヨリ津賀村」とある。津賀村の検地日は記録がない。

 ホノギ「上キレ」から検地は始まるが、上、下、北、西で筆を区分し他のホノギ名称はみあたらない。津賀村の2筆目から「本田四反拾壱代、出田壱反廿六代 上田」があり、4反、5反の中田がつづいて検地されている。

 津賀村(津かの村)壱村分の本田・出田は「合弐町弐反卅七代五分内」とある。田畠屋敷数わずか23、うち屋敷数は3筆で、寺中、神田ともになし。

 

■州郡志(1704-1711宝永年間:下p342)

 津賀村の四至は、東限津賀之川西限宮谷南限大川北限家林東西十町南北三町戸凡十一其土赤黒

 山川は、宮谷山(在村西)、津加之川谷(流村東)

 寺社は、川内大明神社とある。

 

■寛保郷帳(1743寛保3年)

 寛保3年に編纂した「御国七郡郷村牒」では、石高22.757石、戸数12戸、人口48人、男29人、女19人、馬4頭、牛1頭、猟銃4挺

 

■南路志(1813文化10年:③p618)

津賀村 寛永帳無之、元禄帳云地二十二石七斗五升七合

天神 宮ノ谷 祭礼十一月七日

河内大明神 

 

■ふる里の地名(1982昭和57年)

梅ノ川:梅の大木があった辺り。 ※通称地名

津賀川:津賀本村の谷の奥。 ※通称地名

重利:①大木が繁茂している傾斜地、山②人物から、とも云われる。 ※通称地名

工ザサコ:傾斜した地。 ※字名は「エギサコ」

ハゴサコ:傾斜地。

タケクボ:竹が繁っている窪地。 ※通称地名

ババケ谷:崖の多い谷地。

仲屋敷:中央部の集落。

ウルシノ谷:漆の木が生えていた漆搾業者が入り込んで住んで居った土地。

井ノ神:田に引く水の神(水神〉を祀ってあったあたり。

ヲトナセ:細長い地。

エノキ田:大榎のあったあたりの土地。

古家谷:古い家があった細長い土地。

モリパタ:ウネ先の山林を拓いた畑地。

上ミヤシキ:集落の川上にあたる土地。

ツルイノ谷:集落の水源地である谷。

向屋敷:はなれた向うの集落。

宮ノ谷:神社のある辺りの土地。

タチハナ谷:集落を外れ山が大川にせまった辺りの谷ぞいの地名。

大瀬:大きな瀬の丘の地名。 

※地内の字で記述のないのが、「アノキ田」、「北ノ川口」、「橋ケ谷」、「ハ子ツリ」、「宮ケ谷山」

 

■ゼンリン社(2013平成25年)

p30:津賀、日村谷川、河内神社、日村天神宮、津賀の川、津賀橋、四国電力津賀発電所

p38:津賀の川、音無瀬橋、津賀トンネル、ツルイ谷川

 

■国土地理院・電子国土Web(http://maps.gsi.go.jp/#12/33.215138/133.022633/)

津賀の川、屋敷峠、吹の峰、重利山

 

■基準点成果等閲覧サービス(http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/index.aspx)

※左端の「点名」をクリックすると位置情報が、「三角点:標高」をクリックすると点の記にジャンプ

四手(三等三角点:標高640.26m/点名:しで)昭和字下道引続山1016-イ番地  ※重利山

屋敷(四等三角点:標高255.76m/点名:やしき)津賀字ヲトナセ192-32番地

津賀(四等三角点:標高442.71m/点名:つが)茅吹手字大峯山200-21番地

 

 

■高知県河川調書(2001平成13年3月:p54)

津賀の川(四万十川1次支川津賀の川)

左岸:津賀字ハゴサコ10番地先

右岸:津賀字エギサコ183番の4地先

 

■四万十町橋梁台帳:橋名(河川名/所在地)

新谷橋(四万十川/津賀)84.00 ※茅吹手沈下橋

津賀の川橋(津賀の川/津賀)7.20

 

■四万十森林管理署(四万十川森林計画図)

栂ノ川山:(2042林班)

津賀ノ川山(2042林班)

重利山(2043林班)

  

■四万十町広報誌(平成24年6月号) 

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ぶら〜り散策0904【津賀】20120601.pdf
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