そり(ソリ・ソリ田・大ソリ・中ソリ・曽利・曽理田)

■語源

 二つの解釈がある。一つは焼畑地名であり、二つはソル(反る)からきた崩壊地地名(災害地名)である。窪川付近では「微高地が河川に平行して連なる」地形を「おきぞり」と呼ぶ(窪川町史p59)。高南台地特有の河岸段丘の岸側(オキ。反対側の山側をオカ)のズレをそう呼んだのだろう。

 

 焼畑に関する山間地名として、柳田国男は『地名の研究』で「山間の地名の焼畑・切替畑を言い表すものに、九州・四国にはコバツクリ、コバキリという語が最も多いが、東国にはその類例がない。関東四周の山地にはサスという語とソリという語がある。ソリは動詞でソラスになり荒らすことである。3年から5年山を畑にして作ることをサスといい、それを再び樹林地に戻すのがソラスであったかもしれない。甲州などでは何々草里(そうり)といい、駿河・遠江ではゾウレ」と述べている(文庫p85)。

 ソリクボは高知県でアゲと同じく高くて乾きの良い田所をいう(民俗地名語彙辞典・上)高地の田をソリといい、ソリタは高くて用水の掛かりにくい田である。

 焼畑地名としてのソリは関東四周と柳田氏はいうが、四万十町には「コバ」地名より「ソリ」地名が多い。コバ地名は大コバ(米奥/字名)、コバサコ(平野/地検帳にもでてくる中世以前の地名で現在は字名)の2カ所である。

 また、焼畑地名としては、打井川に「コウゲ」もある。

 

 また、崖地や急傾斜地を指す地形名でもあるソリでもあるが

 

 (未定稿)

■四万十町の採取地

 

■四万十町外のソリの採取地