愚草の川柳集

 

ふみ絵

 

 

2021年9月通巻19号

 

 

 

 

【編集子選】

 

悪の華 めでる地獄の 亡者哉

背徳の刃 わが身に振りかかり

妄執の虜 身もて亡びゆく

おのが躯を 苦界の桶に担ぎしや

いじましき あと幾許の天下びと

 

アベ遺産 負の五輪に化けそこね

金メダル咬めばコロナの 苦い味

美の祭典 鉤十字の旗なびき

 

 

読み飛ばし 核の亡者の目が眩み

再稼働 脱炭素を奇貨となし

総裁選同じ壷より首がでる

文明の踏絵の影に 戦くや

 

 

※愚草は、”踏絵”について「アメリカファーストの自由と民主主義を欺<属国へとなり下がってしまった。アンタッチャブルの十字架の下、意識下での「踏絵」と、片や畳を踏むがごとく踏みつけられてきた、本来踏んではならぬ無意識下での「踏絵」。人はその踏絵のみを踏まされて、十三階段をのぼりつめてしまった。環境、生態系、気候温暖化等、自然の摂理が破壊され、地球は揺藍から墓場と化して―。キリスト教弾圧の踏絵は時代を超えて、民衆抑圧の道具として連綿と受け継がれている。」と述べている。NGO「国境なき記者団」が発表する報道自由度ランキングで日本は今年、世界180カ国・地域のなかで67位であった。2015年12月、国連人権理事会が初めて日本の表現の自由の状況について調査することになったが、日本政府は特別報告者のデビッド・ケイ氏の来日を突然キャンセルした。ケイ氏は政治的公平などを定めた放送法四条の廃止を求めたが日本政府はこれを拒否した。アベ政治はマスメディアをアンダーコントロールしているのだ。権力監視をしない従順なマスメディアは踏絵の代償で何を得たいというのか。

愚草は、「誉むべく偉大なる文明社会を、言祝ぐや。」と結語としている。

    

※”ふみ絵”の表紙は「2022年(休刊)通巻19号」と記している。愚草は覚悟しているのだ。しんどい体を奮い立たせ、最期の言霊をはく。

 

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