よくある地名の語源 「そ」

・・そ(ソ)

 ソト(外)の略形か。香南市香我美町下分に「大平」の字がありその向いに小平地の「大平ソ」の字がある。

 『地名用語語源辞典』では、ソは「場所」、「部分」、「方向」などを示す接尾語としなければ解釈のつかない地名が多い。字音のショ(所)の転と考えるのが一番すなおかも知れない、と解説する。

 

そうず・しょうず(僧都・僧津)【安芸市僧津。字名は僧都ヶサコ(香美市土佐山田町影山)、僧都居(梼原町横貝)、僧都(四万十市利岡/ソウト)、僧津(安芸市古井、越知町黒瀬、四万十市西土佐奥屋内)】

 高知県内の地名で、谷地名の小字が4450か所あるということは、暮らしと水利の関連性を示すあかしであり、加えて狩猟や採集、山の生業など場所を特定する重要な符号ともなる。水利地名はイデ256、ツルイ211、セイモト121、樋口102あり「ソウヅ」もそのひとつで泉や水車、鹿威しの装置などの意味がある。

 安芸市に「僧津」の大字がある。隣の集落が「井ノ口」で岩崎弥太郎の生誕地。どちらも水の豊かな地名のようだが、岩崎弥太郎も集落同士の水争いに巻き込まれ重傷を負ったと、片岡雅文『土佐地名往来(No105)』は紹介する。

 その「僧都」という地名、民俗地名語彙辞典には「①泉。ショーズの転②清水をソウズという一方水車をソウズと呼ぶ所がある③高知では田に水を引く水車を呼ぶ④山田、山畑に来る鳥獣を威嚇し追い払うために音をさせるよう装置した。流れてくるみずが注ぎ込むようにした装置。」とあり、清水、早津、僧津、僧都、惣津、宗津、沢津、財津などの字が当てられた。

 水力を利用した簡単な米搗き設備をソウズまたはショウズという。足踏みの代わりに力点となる水槽にたまる水の重力を利用した装置。それ以前は唐臼踏みで手杵搗きは最も古い。これが進化した姿が水車である(綜合日本民俗語彙)。

 編集子も子どもの頃(1960年代)には唐臼の杵の中央(支点)に立って足で搗く補助をしたものだ。下津井には葛粉をつくるために利用したソウズ跡が仁井田神社の上にある。 

 

そうづのかわ(双津の川)【影野】

 

そで(ソデ)【】

 『分類山村語彙』はソデを「山の嶺の向こう裏を、阿波祖谷山ではソデ、天竜川上流地方などでもソンデ」と説明する。柳田国男は『地名の研究』では日照条件をもとに山間では開発が進みオンジ・ヒナタなどと同じように次の開発予定地として「ソデは山の向ふ側という」と説明。高知県の「ソデ」小字55か所。接尾語でみると、袖野が18、袖谷10、袖山8、袖藪3となり、ソデカタや袖林の小字名からも「次期開発予定地としての名づけ」のようである。「山の嶺の向こう裏」は開発予定地としては理解ができる。鏡味完二『日本の地名』は「ソデ 山林の出っ張った所」というが、説明の事例がないので理解できない。

 

そり(ソリ・大ソリ・ソリヤシキ・曽利・曾理田・反る)【高野、宮内、仕出原、飯ノ川、若井川、烏手、芳川、江師、戸川、地吉、井﨑】

 急傾斜地、ズレが崩壊地とることから「崩壊地形」。この地形が焼畑にりようされることから「焼畑」の意もある。サデ、スラは山の急傾斜の木材を落す滑り道。乾田となる田。 詳細はそりをクリック

(20190927現在)


ちめい

■語源


■四万十町の採取地


■四万十町外のサイノウの採取地