四国のてっぺん・稜線をゆく


奥白髪山~奥工石山

2021.11.30/No118

 

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藩政時代、白髪山のヒノキは江戸城や駿府城などの普請のため約1万2千本が献上された。その後1621年には財政難であった土佐藩は白髪山のヒノキを伐採して一気に藩の財政を立て直した。良質のヒノキは市場を独占し、他国の材を寄せ付けなかった。木材市場跡(大阪市西区北堀江)には今も白髪橋という地名がある。
森下絵地図393030本山町・奥白髪山~奥工石山.pdf
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【掲載された地名・地物】

奥工石山(1516m)

国土地理院地形図には工石山とある。高知市にも工石山(高知県民の森)があることから、奥工石山や立川工石とも呼ばれている。山頂には一等三角点(高知県16点の一つ)があり「点の記」では「仁尾ヶ内山」と大豊側の地区名称を付している。

『土佐州郡志』によると工石山は「喰石山」とか「久以志山」としるされ、この地に潜んだ平家の落人が飢えに苦しみ、この石が食えるものならばと嘆いたことから名付けられたとある。

立川、仁尾ヶ内林道、白山神社登山口、ユルギ石、白山神社、竜王山、紅簾石(こうれんせき)、竜王峠、竜王林道、奥白髪林道、冬の瀬登山口、工石山縦走路

白髪山(1470m)

「白く光る岩」に由来する。以前は白い岩を意味する「白峨」の文字を使っていた。奥白髪に猿田彦神(白髪の老翁)を白峨の山霊として奉ってから「白峨」を「白髪」に改めたといわれている。

山頂からは南方が開けて展望が広がる。白骨林群が見える。強風などの厳しい自然環境により枯れた白骨林群である。

(2021.11.30/No118)