愚草の川柳集

 

宿痾

 

 

2021年4月通巻18号

 

 

 

※「宿痾」(しゅくあ)とは長い間なおらない病気


【編集子選】

 

文明の宿痾の洞に 人は棲み

二枚舌 宿病仮病に遣い分け

鼻白むちびたマスクで 世を風靡

頬っ被り 傀儡となりてNHK

投資なき資本喪服の 終列車

資本主義 不要不急の置きみやげ

 

※世界報道自由度ランキング67位では、ほんとうの日本の姿がみえるモノサシにはならない。所信表明で自助・共助をのべる政治の貧困、それに忖度する官僚の劣化。「投資なき資本主義」もそのとおりだ。

 ※自分のもうけはよくわかっている経済学者竹中平蔵は、小泉とタッグを組んで法人税率を下げ、雇用の流動化施策を実施。

これで、大企業は労働分配率を下げ、先行投資や研究開発もせずに数百兆円の内部留保をためこんだ。日本の科学力ならコロナワクチンの開発などすぐやるかと思えば、技術力、裏技、奥の手なにもない。PCR検査など1年たってもなーんも進まない。

※英語を話す二世議員をもちあげるNHK提灯記者。最高の政策は「自粛」だのみダケ。ほんとにマスコミはなにしているの。ネットでは「いいね」を押すことしかもとめない。「いかんね」をつくってもらいたい。1億人の皆さん腹立ちませんか。 

※佐々木愚草はそんな病巣を「宿痾」という。はじめて知った「しゅくあ」という言葉だが、これが宿痾と納得した。読んでスッキリするのは不作為の犯罪みたいだが、ぶった切るここちよさは「イイね」それとも「ガッテン」。愚草は両方ともあいいれないと思う。

 


ダウンロード
202104宿痾(佐々木愚草川柳集).pdf
PDFファイル 189.2 KB